「インスタで広告を出しているのに、思ったほど予約が増えない」「広告費だけが出ていって、どこを直せばいいのか分からない」。動画広告を続けているサロンのオーナーから、よく聞く悩みです。

こうしたとき、すぐに新しい動画を作り直したくなります。けれど、原因が動画にあるとは限りません。先にやるのは、どこで止まっているのかを確かめることです。そのうえで動画に原因があるなら、多くの場合、問題は映像のきれいさではなく「1本の広告で何を伝えているか」にあります。

以下、すでに動画広告を出しているエステ・サロン・美容室のオーナーの方に向けて、原因の確かめ方、サロンの広告でよくあるつまずき、何を伝える広告にするかの選び直し方、予約までのつなぎ方、作り直しの頼み方の順に見ていきます。美容医療(クリニック)の広告は別のルールがあるため、ここでは扱いません。

この記事の要点

  • 予約が増えないとき、まず「見られていない」「押されていない」「予約ページで止まっている」のどこかを確かめる
  • 動画が原因のときによくあるのは、1本に全部を詰め込んでいる、目的と伝えることがずれている、同じ広告を出し続けている、の3つ
  • 1本の広告で伝えることは「メニュー」「お店の世界観」「人」のうち1つにする
  • 動画と、そのあとに見る予約ページの内容(メニュー名・価格)をそろえる
  • 作り直しを頼むときは、今の広告の動画と数字を渡すと、直すところを絞れる

まず、どこで止まっているかを確かめる

広告から予約までには、いくつかの段階があります。予約が増えないときは、どの段階で人が減っているかを見ます。広告の管理画面と、予約ページの数字で確かめられます。

止まっている段階 数字の様子 主な原因
見られていない 表示回数が少ない、再生がすぐ止まる 予算・配信の対象、または最初の場面
押されていない よく見られているのに、広告が押された割合(クリック率)が低い 動画で伝えていることが、見た人に響いていない
予約ページで止まっている 押されているのに、予約が入らない 予約ページ、メニュー、価格、空き枠

動画を作り直して効果が出やすいのは、主に「押されていない」ときです。予約ページで止まっているなら、動画を変えても予約は増えにくく、先にページやメニューを見直します。原因の切り分け方は動画広告の効果が出ない5つの原因|30分でできる切り分け手順、点検の順番はMeta広告の成果を改善する方法|点検の順番と直し方で詳しく解説しています。

サロンの広告動画でよくある3つのつまずき

原因が動画にありそうなとき、サロンの広告でよく見られるのは次の3つです。

① 1本に全部を詰め込んでいる

メニューも、お店の雰囲気も、スタッフの人柄も、キャンペーンも、1本に入れている。伝えたいことが多いほど、見た人には何も残りません。1本の広告で伝えることは1つに絞ります。次の章の3つから選び直してください。

② 目的と伝えることがずれている

お店の雰囲気を伝える広告で、すぐに予約を取ろうとしている。逆に、メニューの広告で、まだお店を知らない人に呼びかけている。目的と伝えることの組み合わせがずれていると、よい動画でも成果は出ません。

③ 同じ広告を出し続けている

最初は反応がよかった広告も、同じものを出し続けると、だんだん効かなくなります。季節のメニューや記念日など、サロンには広告を変えるきっかけが多くあります。差し替えの目安は動画広告のクリエイティブ疲弊とは?差し替え頻度の判断基準で解説しています。

何を伝える広告にするか、3つから選び直す

サロンの動画広告で伝えられることは、大きく3つです。今出している広告がどれにあたるかを確かめ、目的と合っているかを見てください。

伝えること 向いている目的 撮影
メニュー 新メニューの告知、初めての方の予約 なくても作れる。施術の様子を実際に見せるなら必要
お店の世界観 知ってもらう、気になるお店にしてもらう なくても作れる
人(施術者・接客) 指名、安心して来てもらう スタッフ本人を見せるなら必要

3つを使う場合も、1本の中では1つに絞り、広告を分けます。たとえば「お店の世界観」の広告で知ってもらい、プロフィールを見に来た人に「メニュー」の広告で予約を促す、という分け方です。

メニューを伝える広告:受けたときの体験を見せる

メニューの広告で見せるのは、効果ではなく受けたときの体験です。施術の流れ、所要時間、香りや照明、終わったあとのくつろいだ様子。価格を入れるなら、予約ページと同じ表記にします。期間限定のメニューは、期間が終わったら差し替える前提で作ります。

お店の世界観を伝える広告:撮影なしでも作れる

お店の雰囲気やブランドの色は、アニメ調やAIで作った映像でも表現できます。撮影の日程や出演の調整が要らないので、差し替えの版も作りやすくなります。ただし、実際のお店とかけ離れた内装を、本物の店内のように見せてはいけません。来店した方が「広告と違う」と感じると、かえって印象が悪くなります。音楽が広告に与える影響は音楽が広告効果に与える影響|聴覚訴求のエビデンスでまとめています。

人を伝える広告:撮影が必要

施術者の人柄や接客の様子、実際の店内は、撮影したほうが伝わります。出演するスタッフやお客様には、使う媒体・期間を決めて、記録に残る形で同意を取ります。実在のスタッフ本人を紹介して指名につなげたいなら、撮影で作ります。一方で、次の実例のように「女性スタッフが対応する」というお店の特徴をイメージとして描くだけなら、撮影なしでも作れます。その場合も、特定のスタッフ本人だと受け取られる見せ方は避けます。自然な雰囲気にしたい場合はUGC風広告動画の作り方が参考になります。

実例:初回のメニューを、来てほしいお客様の物語で伝える

pitattoが女性専用のエステサロンの集客用に、撮影をせずに制作した広告です。

リアル再現
女性専用のエステサロンの集客用に、撮影をせずに制作した広告動画。来てほしいお客様の気持ちから入り、お店の特徴と初回のメニュー、予約へとつなげています

この広告で伝えていることは、「初回のメニューを受けに来てほしい」の1つです。そのために、次の順で組み立てています。

  1. 来てほしいお客様の気持ちから入る:いつも誰かのために頑張り、自分のケアを後回しにしている女性。見た人が「私のことだ」と思える場面から始める
  2. お店の特徴を短く見せる:女性スタッフのみ、完全個室。初めての方が気にするところに、最初に答えておく
  3. 初回のメニューと価格を出す:何分でいくらかを画面に出し、予約するかどうかを決めやすくする
  4. 最後に、してほしいことを1つだけ伝える:「下のリンクからご予約ください」

メニュー・お店の世界観・人の3つを並べるのではなく、お客様の物語を入り口にして、最後は初回のメニューの予約に絞っています。伝えることを1つにするというのは、見せる場面を減らすことではなく、すべての場面を1つの目的に向けることです。動画の中で出す価格やメニュー名は、予約ページと同じにしておきます。

予約までのつなぎ方を見直す

「押されているのに予約が入らない」ときは、動画と、そのあとに見るページのつながりを見直します。

  • 最後にしてほしいことを1つにする:「予約ページを開く」か「プロフィールを見る」のどちらか。両方を求めると、どちらもしてもらえない
  • 動画と予約ページをそろえる:メニュー名、価格、期間、写真の雰囲気を合わせる。違っていると、そこで予約をやめてしまう
  • 字幕の位置を確かめる:スマホの画面いっぱいに映る縦長の動画は、SNSのボタンや名前が重なる位置がある。詳しくは縦型動画(9:16)の設計ルールにまとめています

成果の見方:伝えることごとに分けて見る

見るのは予約の数と、予約1件あたりにかかった広告費です。再生回数や「いいね」が多くても、予約が増えていなければ目的は果たせていません。

とはいえ、お店の世界観を伝える広告は、すぐには予約につながりにくいものです。この型はプロフィールを見に来た人の数や、保存された数で見ます。伝えることごとに見る数字を分け、変えるのは1回に1か所にします。一度に複数を変えると、何が効いたのか分からなくなります。

表現で気をつけること

美容の広告には、効果の書き方や見せ方にルールがあります。ビフォーアフターの見せ方や、「必ず」「誰でも」のように効果を言い切る表現は、そのルールに関わることがあります。作り直しの機会に、今の広告の表現も見直してください。

  • 効果を言い切らない:伝えるのは、受けたときの体験と、お店の雰囲気
  • 使ってはいけない表現を、制作の前に共有する
  • 最終確認は広告を出す側で行う:表現の最終的な判断は、広告を出すサロン側でお願いしています

AIで作った映像を使うときに、表記が必要かどうかはAI動画に表記は必要?YouTube・TikTok・広告のルールで整理しています。

作り直しを頼むときに用意するもの

今の広告がうまくいっていないことを前提に頼む場合、次のものがあると、直すところを絞れます。

  • 今出している広告の動画(反応がよかったもの・悪かったもの)
  • 配信の数字:表示回数、広告が押された割合、予約の数、予約1件あたりの広告費。分かる範囲で
  • 広告の目的と、伝えたいこと(メニュー・お店の世界観・人のうち1つ)
  • 予約ページやサービスサイトのURL
  • 使ってはいけない表現
  • 次に広告を出す時期(季節のメニューやキャンペーンに合わせる場合)

依頼先の選び方は動画制作会社の選び方|見積書の見方と確認する7項目、費用の考え方はSNS動画制作の費用相場|1本いくら?予算別の頼み方で解説しています。

制作で直せること、直せないこと

制作会社として書いておかなければならないのは、動画を作り直しても、予約が必ず増えるわけではないということです。制作で改善できるのは、「押されていない」原因が動画にあると分かった部分です。予算や配信の対象、予約ページ、メニューや価格、空き枠が原因なら、動画を変えても予約は増えにくく、そちらを先に直す必要があります。

参考:pitattoの場合

pitattoは撮影をせずに、オリジナル楽曲付きの広告動画を作っています。上の実例のように、来てほしいお客様の物語やお店の世界観から、メニューの予約につなげる広告の作り直しや、差し替えの版づくりが向いています。

  • 今の広告の診断:配信中の広告動画のURLをお送りいただければ、伸びない理由を無料でお伝えします(無料クリエイティブ診断)
  • 用意するもの:サービスサイトのURLと、ヒアリングシートの記入。素材や写真は基本的に要りません
  • 納期:最短7日
  • 修正:映像の文字・長さ・色味・字幕などを2回まで無料。音楽の修正工程は設けていないので、制作の前のヒアリングで世界観を言葉にしておきます
  • 料金:通常150,000円〜。割引キャンペーンを行っている時期もあるため、最新の料金は料金表でご確認ください

向かないケースも書いておきます。スタッフの人柄や、実際の店内・施術の様子を見せることが一番の目的の場合は、撮影をする制作会社か、自社での撮影のほうが合っています。

まとめ

広告を出しているのに予約が増えないときは、動画を作り直す前に、どこで止まっているかを確かめます。動画が原因なら、1本に詰め込みすぎていないか、目的と伝えることがずれていないか、同じ広告を出し続けていないかを見直し、伝えることを1つに絞って作り直します。

そのうえで、動画と予約ページをそろえ、季節ごとの差し替えを計画し、予約の数で成果を見る。変えるのは1回に1か所ずつにすれば、何が効いたのかが分かり、次の改善につなげられます。

よくある質問

広告を出しているのに予約が増えません。動画を作り直すべきですか。

先に、どこで止まっているかを確かめてください。よく見られているのに押されていないなら、動画に原因がある可能性が高いです。押されているのに予約が入らないなら、予約ページやメニュー、価格を先に見直します。

最初は反応がよかった広告が、だんだん効かなくなりました。

同じ広告を出し続けると、見た人が慣れて反応が落ちていきます。最初の場面や文字だけを変えた版を用意して差し替えると、全部を作り直すより費用を抑えられます。

今の広告動画を見て、どこが悪いか教えてもらえますか。

pitattoでは、配信中の広告動画のURLをお送りいただければ、伸びない理由を無料でお伝えしています。無料クリエイティブ診断からお申し込みください。

撮影なしで作った動画に切り替えても大丈夫ですか。

メニューやお店の世界観、来てほしいお客様の物語を伝える広告なら、撮影なしでも作れます。この記事の実例も撮影なしで制作しています。ただし、スタッフ本人や実際の店内そのものを見せたい場合は撮影が必要です。

ビフォーアフターは広告に使えますか。

見せ方によっては、美容の広告のルールに関わることがあります。効果を言い切らず、表現の最終確認は広告を出すサロン側で行ってください。制作の前に、使ってはいけない表現を共有しておくと手戻りが減ります。