Meta広告の動画を配信していると、「3秒再生はそれなりにあるのにクリックが伸びない」「最後まで見られていない気がする」と感じることがあります。そんなときに確認したいのが動画視聴維持率です。

視聴維持率は、広告動画がどこまで見られているかを表す指標です。広告動画ではとくに冒頭2〜3秒の数字が大きく動きますが、冒頭だけ見られても、商品やサービスの魅力が届かなければ成果にはつながりません。

以下、視聴維持率の見方を確認したうえで、広告動画がふつうの動画とどう違うのか、pitattoが制作で意識している「最後まで見られない前提」の作り方を順に見ていきます。

この記事の結論

  • 視聴維持率は「動画のどの時点まで、何割の人が見ていたか」を表す指標
  • 広告動画は自分で選んで再生される動画ではないため、冒頭2〜3秒で見続けるかどうかが決まる
  • 冒頭を越えたら、テンポで「次」を見たくさせる。pitattoでは歌と映像を連動させて離脱ポイントを減らしている
  • それでも最後まで見る人は少数。商品や価格など伝えたいことは終盤に集めず、前半から散りばめる
  • 維持率がどこで落ちているかを見れば、冒頭・中盤・訴求のどこを直すべきかが分かる

動画視聴維持率とは

視聴維持率とは、広告動画がどこまで見られているかを表す指標です。例えば30秒の動画で、3秒時点まで見たユーザーがどれくらいいるかを見れば「開始3秒の視聴維持率」が分かります。同じように15秒時点、最後まで、と見る時点を変えていくと、どこで人が離れているのかが見えてきます。

横軸に開始・3秒・25%地点・50%地点・75%地点・最後を取り、見ている人の割合が開始から3秒までで大きく下がり、その後なだらかに下がっていく様子を示した視聴維持率のイメージ図
広告動画の維持率は、開始から3秒までで大きく下がり、その後はなだらかに下がる形になりやすくなります。図は形のイメージで、実際の数値ではありません。

Meta広告で確認できる主な指標

Metaの広告マネージャには、「視聴維持率」という名前の列が1つ用意されているわけではありません。次のような再生指標を組み合わせて読み取ります。

30秒の動画のタイムライン上に、3秒動画再生(3秒)、ThruPlay(15秒)、動画の再生率25%・50%・75%・95%・100%の地点を示し、平均再生時間の説明と、共有時は使った指標を書き添えるという注意を添えた図
30秒の動画では、ThruPlayと50%再生はどちらも15秒の地点になりますが、数えている条件は別です。
指標 何を表す数字か 維持率としての使い方
3秒動画再生 動画が少なくとも3秒再生された回数 冒頭で手を止めてもらえたかを見る
動画の25%・50%・75%・95%・100%再生 動画の各地点まで再生された回数 中盤から終盤のどこで離脱が増えるかを見る
ThruPlay 15秒未満の動画は最後まで、15秒以上の動画は少なくとも15秒再生された回数 「ある程度しっかり見られたか」の目安。尺によって条件が変わる点に注意
動画の平均再生時間 1回の再生で平均何秒見られたか 維持率全体の高さを大まかにつかむ

維持率の出し方

各時点の再生数を、同じ分母で割ると維持率になります。分母には表示回数(インプレッション)を使うと分かりやすいです。

  • 3秒時点の維持率 = 3秒動画再生 ÷ インプレッション
  • 50%時点の維持率 = 動画の50%再生 ÷ インプレッション
  • 最後まで見た割合 = 動画の100%再生 ÷ インプレッション

冒頭を越えた人のうち何割が残ったかを見たいときは、分母を「3秒動画再生」に変えます。どちらの分母を使ったかで数字の意味が変わるので、社内で共有するときは必ず書き添えておきましょう。尺の違う動画どうしを比べるときの注意点は動画広告は15秒と30秒どちらが正解かにまとめています。

広告動画は、ふつうの動画と見られ方が違う

YouTubeの動画やSNSのオーガニック投稿と、広告動画とでは、そもそも見られ方が違います。視聴維持率の考え方も、この違いによって変わってきます。

自分でタップして選んで再生する一般的な動画と、フィードをスクロールする途中に流れてくる広告動画を左右で比べ、下に冒頭で離脱されない・途中で離脱させない・離脱されても伝わるの3つを並べた図
左は自分で選んで再生する動画、右はスクロールの途中に流れてくる広告動画です。違いを項目ごとに並べると、次の表のようになります。
観点 一般的な動画 広告動画
再生のきっかけ 見たい人がタイトルやサムネイルを見て、自分で選んで再生する フィードやリールを見ている途中に、見るつもりのない人の前に流れてくる
冒頭の役割 選んでくれた期待に応える 何の動画か、自分に関係があるかを一瞬で伝える
音 音ありで見られることが多い 音を出さずに流し見されることもあり、音がなくても伝わる必要がある
構成 起承転結で、最後に向かって盛り上げられる いつ離脱されてもおかしくない
最後まで見られるか 見られる前提で作れる 最後まで見る人は少ない前提で作る

一般的な動画づくりのセオリーは、最後まで見てもらうことを前提にしています。ところが広告動画は、見る側にとっては見るつもりのなかった動画です。そのため広告動画では、冒頭で離脱されない工夫、途中で離脱させない工夫、途中で離脱されても伝わる工夫の3つを分けて考える必要があります。

冒頭2〜3秒で、見続けるかどうかが決まる

広告動画でとくに大切なのが、最初の2〜3秒の視聴維持率です。ユーザーは開始2〜3秒で、見続けるかスクロールするかを判断しています。ここで大量に離脱されると、その後の訴求がどれだけ良くても見てもらえません。

冒頭で離脱されないためには、まず冒頭で何を伝えたいかとターゲットは誰なのかをはっきりさせることです。「誰に向けた、何の話か」が最初の画面で分からない動画は、自分には関係ないと判断されてしまいます。

また、広告だと思われない工夫もある程度は必要だと考えています。最近は広告だと分かった瞬間にスクロールされることが多いので、UGC風の表現や、流行しているオーガニック投稿に寄せた作りも有効です。ただし、見た目を投稿に寄せることと、広告であることを隠すことは別の話です。広告表示や表現規制の注意点はUGC風広告動画の作り方で解説しています。

冒頭の具体的なパターンは、次の記事でまとめて紹介しています。

冒頭を越えたら、テンポで最後まで引っぱる

冒頭の視聴維持率が大事なのは確かですが、冒頭だけ見られても意味はありません。広告動画で伝えたいのは、その先にある商品やサービスの魅力です。冒頭の2〜3秒を越えた人に、どうやって最後まで見てもらうかも考えておく必要があります。

pitattoがこれまで広告動画を作ってきた中で、途中の離脱を防ぐためにとくに重視しているのがテンポです。同じ画が長く続いたり、説明が間延びしたりすると、その瞬間が離脱ポイントになります。

pitattoでは、歌と映像を連動させている

pitattoでは、その広告のために作ったオリジナルの歌と映像を連動させ、動画を「1曲」として届けています。曲には、次のフレーズを聴きたくなる流れがあります。その流れに映像の展開を合わせることで常に興味を引きつけ、視聴をやめるきっかけになる「間」を作らないようにしています。

歌詞には商品名やベネフィットを乗せ、ナレーションと歌詞が同時に別のことを言わないように整理しています。音楽を広告に使うときの考え方は音楽が広告効果に与える影響で詳しく紹介しています。

ハイブリッド
実写素材とオリジナル楽曲を掛け合わせた22秒の広告動画。歌の展開に合わせて映像を進めています

歌を使わない動画でも、考え方は変わりません。

  • 1カットを長く引っぱらず、画面に変化を入れ続ける
  • ひとつの説明を短く区切り、次の情報へ早めに進む
  • 「このあと何が出てくるのか」が気になる順番で並べる

同じ商品、同じ内容の広告でも、テンポを変えるだけで見え方はかなり変わります。

前半は5秒間ほぼ同じ画のまま長いテロップが出続け、後半は約1秒ごとに画と短いテロップが切り替わります。架空の商品で作ったサンプルです。

最後まで見られない前提で、伝えたいことを散りばめる

とはいえ、テンポを工夫しても、広告動画を最後まで見るユーザーは多くありません。最後まで見る人は少ない、という前提で作ることも必要です。

よくあるのが、商品の登場や価格、いちばんの魅力を動画の最後に集めてしまう作りです。起承転結としてはきれいですが、途中で離脱した大半の人には何も残りません。重要なこと、伝えたいことは最後に集めるのではなく、ある程度散りばめておきます。

  • 商品が主役なら、早めに商品そのものを画面に出す。内容までは見てもらえなくても、商品の見た目だけは覚えてもらえる
  • 価格が魅力なら、前半でも金額に触れる。最後の「今なら〇〇円」まで待たせない
  • 商品名やサービス名は、1回きりにせず、途中でも繰り返し見せる

起承転結をある程度崩すことになっても、こうした情報は前半から出しておいたほうがいいと考えています。離脱される地点ごとに「ここまで見た人に何が残っているか」を確かめると、情報の置き場所を決めやすくなります。

ここで離脱した人 最低限残っていてほしいこと
3秒以内 誰に向けた、何の話か
動画の4分の1あたり 商品・サービスの見た目や名前
動画の半分あたり いちばんの魅力(価格、効果、他との違いなど)
最後まで見た人 次に取ってほしい行動(購入、予約、問い合わせなど)

同じ商品を、起承転結型と散りばめ型で作り比べると次のようになります。再生バーの半分の地点で、それぞれ何が伝わっているかに注目してみてください。

前半の起承転結型は、半分の地点で離脱すると商品も価格もまだ出ていません。後半の散りばめ型は、同じ地点までに商品と価格が伝わっています。架空の商品で作ったサンプルです。

維持率が落ちている地点から、直すところを決める

視聴維持率は、見て終わりにするのではなく、どこを直すかを決めるために使います。数字が落ちている地点によって、疑うべき場所が変わります。

冒頭で急に落ちるなら冒頭を、中盤で落ちるならテンポを、最後まで見られるのにクリックされないなら訴求を直すという、維持率の落ち方と直す場所の関係を3枚のカードで示した図
落ち方ごとの直す場所の目安です。見られてクリックもされるのに成果が出ない場合は、次の表のとおり動画以外も確認します。
数字の状態 疑うところ 直し方の例
3秒時点で大きく落ちている 冒頭 対象者と伝えたいことが最初の画面で分かるようにする。広告らしさの強い入り方を見直す
3秒は残るが、25〜50%で落ちている 中盤のテンポ 同じ画や長い説明が続いていないか確認し、カットや情報の順番を詰める
後半まで見られているのに、クリックされない 訴求・行動の呼びかけ 価格や魅力を前に出す。次に何をすればいいかを分かりやすくする
見られてクリックもされるが、成果につながらない 動画以外(LP・オファー・計測) 動画で約束した内容とLPの内容がずれていないか確認する

一度に何か所も直すと、どれが効いたのか分からなくなります。落ちている地点をひとつ決めて、そこから直していくのがおすすめです。動画以外の原因の切り分けは動画広告の効果が出ない5つの原因、改善の進め方はMeta広告の成果を改善する方法を参考にしてください。

まとめ|視聴維持率は「冒頭・中盤・散りばめ」の3つで考える

広告動画は、見る側が選んで再生する動画ではありません。だからこそ、一般的な動画づくりとは違う視点で視聴維持率を考える必要があります。

  • 視聴維持率は、動画のどの時点まで何割の人が見ていたかを表す
  • 冒頭2〜3秒で、誰に向けた何の話かを伝える
  • 冒頭を越えたら、テンポで「次」を見たくさせる
  • 最後まで見る人は少ない前提で、商品や価格などを前半から散りばめる
  • 維持率が落ちている地点から、直すところを決める

pitattoでは、オリジナルの歌と連動させたテンポのある構成で、最後まで見てもらうことと、途中で離脱されても伝わることの両方を意識した広告動画を制作しています。

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参考にした公式情報