Instagram ReelsやTikTok、YouTube Shortsなど、縦型のSNS動画広告では、スマートフォンでの視聴を前提にテロップを設計することが重要です。

テレビCMや横型のWeb動画と比べて画面の横幅が狭く、さらにSNSのUIも表示されるため、同じ文字量でも「読みにくい」「内容が頭に入ってこない」と感じられやすくなります。

そこで重要になるのが、単純に文字を大きくすることではありません。SNS広告のテロップでは、一度に見せる情報量を減らし、短時間でも内容が伝わる状態を作ることが重要です。

この記事では、SNS広告用の動画を制作する際に意識したい、見やすいテロップの付け方を具体例とあわせて紹介します。

ナレーション全文を表示した悪い例と、要点だけをテロップにした良い例をスマートフォン画面で比較した図
同じナレーションでも、画面に出す文字量を変えるだけで伝わり方は大きく変わります。左は文字量が多く読み切れない例、右は要点だけを残した例です。

この記事の結論

  • テロップは「全部書く」ものではなく、「何を残して何を削るか」を決めるもの
  • 1画面に出すメッセージは1つ。文字を大きくするより、情報量を減らすほうが効く
  • 区切る単位は文字数ではなく「意味のまとまり」。細かく切りすぎると逆に読みにくくなる
  • 縦型はSNSのUIが乗るため、重要なテロップは画面中央寄りの安全な位置に置く
  • ナレーションは説明する役、テロップは要点を伝える役と分けて考える
  • 字幕(音声内容を伝える)と強調テロップ(重要情報を目立たせる)は別物として設計する
  • 文字サイズだけでなく、背景とのコントラストを動画全体を通して確認する

SNS広告では「読ませすぎない」ことが重要

SNS広告のテロップでよくあるのが、ナレーションや台本の内容をそのまま画面に表示してしまうケースです。

例えば、ナレーションが「動画広告を作っているけれど、なかなか問い合わせにつながらないという経験はありませんか?」という内容だったとします。これをそのままテロップにすると、次のような複数行の長い文章になります。

そのまま表示した場合
動画広告を作っているけれど、
なかなか問い合わせにつながらない
という経験はありませんか?

内容自体は間違っていませんが、スマートフォンの小さな画面では、視聴者が文章を読み終わる前に次のカットへ進んでしまう可能性があります。

要点だけを残した場合
動画広告、成果出ていますか?

あるいは「問い合わせにつながらない…」でも構いません。視聴者に最も伝えたい部分だけを画面に残します。

SNS広告では、すべての内容を文字で説明するのではなく、視聴者に最も伝えたい部分だけを画面に残すことが重要です。

1. 1画面に1つのメッセージだけ表示する

見やすいテロップを作るうえで、まず意識したいのが「1画面1メッセージ」です。一度に多くの内容を表示すると、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 文字サイズが小さくなる
  • 改行が増える
  • 読む場所が分かりづらくなる
  • 読み終える前に画面が切り替わる

例えば「SNS広告ではスマートフォンで視聴するユーザーが多いため、小さい画面でも読みやすいテロップを作ることが重要です」と一度に表示するのではなく、伝える内容を分けて表示します。

  • SNS広告はスマホで見られる
  • だから文字量を減らす
  • 一瞬で伝わるテロップへ

1つの画面で伝える内容が明確になることで、視聴者も情報を追いやすくなります。実際に動画で見ると、読める・読めないの差が分かりやすくなります。

前半は全文表示、後半は1画面1メッセージ。同じ尺でも残る情報量が変わります。

2. 文章ではなく「意味のまとまり」で区切る

テロップを短くするときに注意したいのが、単純に文章を細かく切ればよいわけではないという点です。例えば、次のように切りすぎると、かえって内容を理解しにくくなることがあります。

  • 動画広告を作っているけれど
  • なかなか問い合わせに
  • つながらない

テロップは、意味がひとまとまりになっている部分ごとに切り替えるのがおすすめです。

  • 動画広告を作ったのに
  • 問い合わせにつながらない
  • 原因は動画の見せ方かも
前半は意味の途中で区切った例、後半は意味のまとまりで区切った例です。

テロップの切り替えによって画面に変化をつけることはできますが、切り替え回数を増やせば増やすほど良いというわけではありません。大切なのは、視聴者が無理なく内容を追えるテンポで表示することです。

3. 縦型動画ではテロップを置く位置にも注意する

Instagram ReelsやTikTokなどの縦型動画では、画面全体を自由に使えるわけではありません。動画の上には、次のような要素が重なって表示されます。

  • ユーザー名
  • キャプション
  • いいね・コメントなどのボタン
  • CTAボタン
  • 各SNSの操作UI

そのため、画面の端に重要なテロップを配置すると、UIと重なって読みにくくなることがあります。特に、画面下部や右側には各SNSのUIが表示されやすいため、重要なメッセージや商品名、価格などはできるだけ画面中央寄りの安全な位置に配置することが重要です。

縦型SNS動画のセーフゾーン。画面中央が推奨エリア、上下左右の端はUIと重なりやすいエリアであることを示した図
画面中央はどのSNSでも比較的見えやすいエリアです。上下・左右の端はアイコンやボタン、キャプションが乗るため、重要なテロップ・商品ロゴ・顔・CTAは避けます。

また、縦型動画では横幅が限られるため、1行に収まると思っていた文章が2行、3行と改行されることもあります。制作時には、PC上の編集画面だけで確認するのではなく、実際のスマートフォンサイズでも読みやすいか確認しましょう。

4. ナレーションをそのままテロップにしない

SNS広告では、ナレーションの内容をそのまま文字にするよりも、要点だけを短く表示する方が見やすくなるケースがあります。

例えば、ナレーションが「動画広告を作成したものの、なかなか問い合わせにつながらないという悩みを持っている企業は少なくありません。」だったとします。

悪い例|ナレーション全文
動画広告を作成したものの、
なかなか問い合わせにつながらないという悩みを
持っている企業は少なくありません。

そのまま文字にすると、かなりの文字量になります。画面のほとんどが文字で埋まり、映像そのものが見えなくなります。

良い例|要点だけ
動画広告、成果出ていますか?

詳しい内容はナレーションが担当します。テロップは、視聴者が一瞬で状況を理解できる状態を作ることに集中させます。

つまり、ナレーションは「説明する」、テロップは「要点を伝える」というように、それぞれの役割を分けて考えることが大切です。

5. 「字幕」と「強調テロップ」は分けて考える

ここで注意したいのが、「字幕」と「強調テロップ」は必ずしも同じものではないということです。

字幕は、音声を聞かなくても話している内容を理解できるようにする役割があります。一方、強調テロップは、商品名・メリット・数字・ユーザーの悩み・結論・CTAなど、特に視聴者に覚えてほしい内容を目立たせるために使用します。

1つの画面の中で、下部の字幕と中央の強調テロップがそれぞれ別の役割を持っていることを示した図
同じ画面の中でも、下部の字幕は音声内容を伝え、中央の強調テロップは要点を目立たせています。役割が分かれていれば、両方を出しても文字量は破綻しません。

字幕

話している内容を伝えるための文字

  • 置く場所:画面下部(固定)
  • 文字量:話した内容をひと通り
  • 文字サイズ:小さめ・書体は控えめ
  • 目的:音を出さなくても話が追える

強調テロップ

特に伝えたい要点を目立たせる文字

  • 置く場所:画面中央寄り(要所だけ)
  • 文字量:1画面に1メッセージ
  • 文字サイズ:大きく・装飾あり
  • 目的:一瞬見ただけで要点が残る

例えば、ナレーションが「このサービスを導入することで、動画制作にかかっていた作業時間を大幅に削減できます。」だったとします。字幕として表示する場合は、音声内容が分かるように文章を表示します。一方、強調テロップであれば「動画制作の工数を削減」といった短い表現でも十分です。

強調テロップまでナレーション全文と同じ内容にすると、画面上の文字量が増えすぎてしまいます。そのため、字幕は音声内容を伝えるもの、強調テロップは重要な情報を目立たせるものと役割を分けると、動画全体が見やすくなります。

6. 文字サイズだけでなく「背景とのコントラスト」も確認する

テロップの見やすさを考えるとき、文字サイズだけに注目してしまいがちですが、背景とのコントラストも重要です。例えば、明るい映像の上に白い文字を置くと、文字自体が大きくても背景に溶け込んで読みにくくなります。

その場合は、次のような方法で視認性を高めます。

  • 文字に縁取りを入れる
  • シャドウを入れる
  • テロップの後ろに半透明の背景を入れる
  • 映像と反対の明るさの文字色を使う
明るい背景に白文字を置いて読みにくくなった例と、縁取り・背景帯でコントラストを確保した例の比較図
同じ映像・同じ文字サイズでも、左は背景と同化して読めません。右のように縁取りや背景帯を入れるだけで視認性は確保できます。

特にSNS広告では映像の切り替わりが多いため、あるシーンでは読みやすくても、次のシーンでは背景と同化してしまうことがあります。動画全体を通して、常にテロップが読みやすい状態になっているか確認しましょう。

長いテロップと短いテロップでは、見え方がどれくらい変わる?

ここまで紹介した内容を、実際の例で比べてみます。例えば、次のナレーションを使用する広告動画を作るとします。

SNS広告では、短い時間の中で商品の特徴やメリットを視聴者に分かりやすく伝えることが重要です。

パターンA|全文を表示
SNS広告では、短い時間の中で
商品の特徴やメリットを視聴者に
分かりやすく伝えることが重要です。

すべての内容を伝えることはできますが、画面上の文字量が多くなります。

パターンB|要点だけ表示
SNS広告は一瞬で伝える

「伝える情報を絞る」でも構いません。ナレーションですでに説明している内容を繰り返さず、最も重要な部分だけを強調しています。

SNS広告では、視聴者が必ずしも動画を最初から最後まで集中して見てくれるとは限りません。そのため、画面を見た瞬間に「今何を伝えているのか」が分かるテロップを意識することが重要です。

SNS広告のテロップを作るときのチェックリスト

最後に、SNS広告用のテロップを作る際に確認したいポイントをまとめます。

公開前に確認する9項目

  • 1画面に複数のメッセージを詰め込んでいないか
  • 2〜3行以上の長い文章になっていないか
  • 意味の途中で不自然に改行されていないか
  • スマートフォンサイズでも読める文字サイズになっているか
  • SNSのUIと重要なテロップが重なっていないか
  • ナレーションをそのまま強調テロップにしていないか
  • 商品名やメリット、数字など重要な情報が目立っているか
  • 背景と文字のコントラストが十分に確保されているか
  • 音声を出していない状態でも最低限の内容が理解できるか

制作時には、編集画面だけで確認せず、実際にスマートフォンで動画を再生して確認することをおすすめします。

まとめ|SNS広告のテロップは「全部書く」のではなく「一瞬で伝える」

SNS広告のテロップでは、情報を増やすことよりも、何を残して何を削るかが重要です。特に縦型のSNS広告では、次のポイントを意識することで、スマートフォンでも内容を理解しやすい動画になります。

  • 1画面1メッセージにする
  • 意味のまとまりごとにテロップを切り替える
  • SNSのUIと重ならない位置に配置する
  • ナレーション全文ではなく要点を表示する
  • 字幕と強調テロップの役割を分ける
  • 背景とのコントラストを確保する

動画広告では、映像そのもののクオリティだけでなく、テロップの文字量や表示位置、切り替えるタイミングによっても見やすさは大きく変わります。テロップを見直しただけで反応が変わることもあるため、動画広告の効果が出ないときの確認項目としても有効です。

pitattoでは、こうしたSNS広告特有の視聴環境やクリエイティブ設計を踏まえ、伝わりやすさと広告効果を意識した動画制作を行っています。

「SNS広告用の動画を作りたい」「今配信している広告動画を改善したい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。